natsume.blog

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運送業界はブラックか

■本当のところは働いてみるまでわからない

 

 こんにちは。運送業界といえば『常に求人が出ていて、すぐ人が辞める、ブラックオブブラックな業界』なんてイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。運転免許さえあれば働ける代わりに、労働環境が劣悪、みたいな。そういう僕も、入ってみるまではそんなイメージが強かったです。

 ほんで、じゃあ実際はどうなの?というのが今回の話。

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 いきなりであれですが、結論としては

『そんなもん会社による』

 …というのが正直なところです。

 

 一例として、僕がドライバーとして働いていた会社の実態を書きます(ありのままを書くので社名は伏せます)。まずは基本条件から。

・中小企業で従業員数300人ぐらい。創業30年以上という古い会社です。上場企業ではありません。Gマーク(グリーン経営認証)取得済み。

・基本は2トン、箱車とウイング車が半々ぐらい。あとは4トンのウイング車。大型はありません。全車ドライブレコーダー、バックカメラ装備。ドラレコ不定期で抜き打ちチェックが入ります。デジタコ装着車はなし。

・配送先は企業や工場、建設現場などが中心で個人宅はほぼありません。したがって再配達もとても少ないです。

・一日の走行距離は少なめ(200km以下がほとんど)。多く走る人でも300kmを超えることはあまりないと思います。

・勤務時間は平均10時間ぐらい。繁忙期は12~14時間ぐらいになることもあります。

 

 

■良いところ 

給与面。残業代を入れて手取り30万円前後、繁忙期なら40万円近くにもなります(残業が増えますからネ)。さらに昇格してリーダーになるとこれと別に手当がつきます。あと新規の出荷先獲得など営業成績が良い人には『金一封』が出ます。結婚や出産にも会社からお祝い金が出ます。

・営業活動もしなければいけませんが、ノルマはないです。いまどきそんなのんびりしていて大丈夫なのかと心配になります。前述のように新規開拓すると金一封が出るので、営業が得意な人にはメリットしかありません。

・営業所を出てしまえば一人の世界。時間内に配送が終わればあとは休憩して帰るだけという気楽なところが素晴らしい。ドライバーは運転中が休憩時間や!などと真顔でいわれるツヤ消しのブラックな会社も世の中にはありますが、うちは「ちゃんと休憩して帰ってこい」と指示されるぐらいしっかり取れます。

・他県の配送先を担当するドライバーの高速代は会社持ちです。ケチな会社だと一般道で行け!とか言い出すので、仕方なく自腹で高速に乗るドライバーもいるようです(一般道でちんたら走ってたら間に合わない。間に合わないと違約金…)。高速と一般道では勤務時間や運転の負担はまるで違います。

・悪いところと表裏の関係ではありますが、仕事で身体が鍛えられるので健康になります。重い荷物にもそのうち慣れて、自然と筋肉質な身体になることでしょう。真冬でも半袖のゴリラみたいなおじさんが同僚に何人かいる素敵な職場です。

・GW、お盆、年末年始は連休があり、人並みに休めます(最大5連休)。同じ運送でも宅急便なんかは交代制で、連休はなかなか取れないんですよね。

・有休休暇は基本的に自由に使えます。届出は必要ですが、「私用のため」なんて簡単な理由で通ります(もちろん他の人が有休で休むときはみんなでフォローすることになります)。僕はいままで有休が使える会社で働いたことがなかったので、この会社に入ってから『有休って普通に使っていいんだぁ…!』と感動しました。笑

・男社会のせいか、人間的には体育会系のさっぱりしたいい人が多いです。

 

 

■悪いところ 

扱う荷物が全部ヘビー級。A4の薄~いカタログや、カーテン生地のサンプルみたいなものもごく稀にありますが、ネジの詰まったダンボールとか(1箱30㎏ぐらい)、塗料の缶とか(一斗缶で1本18㎏ほど)、鉄パイプの束とか、1本60㎏ある床材を20~30本手降ろしなんて現場もあります。もしパレットの荷物ならフォークリフトで降ろせるので楽ちんです。しかし、荷物が多くて積みきれなければバラして積まされます。

 経験した中で、単体で一番重かったのはエコキュートの貯湯ユニットです。あれ100㎏以上あります(しかも1人で手降ろし 笑)

・積み込みは自分で行います。「手積み手降ろし」が基本なのでかなりハードです。手早く積まないと配送に間に合わないので朝は大忙しです。さらに荷崩れしないように上手いこと積むにはコツが要ります。これには良い面もあって、慣れているドライバーは「どこに何を積んだか」だいたい覚えているので、荷降しのときにいちいち探さなくて済むという良さもあります。

・配送時の荷降ろしで積み荷の破損が発覚し、弁済金が発生した場合はドライバーの負担になります(ただし積み込みまでに見つければセーフ)。

・思いっきり体育会系の仕事内容なので女性ドライバーは1人もいません。ていうか男でもしんどいです。筋肉が好きな方には向いています。笑

・ 重い荷物を足に落として骨折したり、膝や腰を傷めたりすることがあります。丸一日運転していると腰の負担は大きいです。年齢が上がると辛い仕事かもしれません。日々のストレッチや整体など、身体のケアは必要だと思います。

・運転が仕事なので事故のリスクが常についてまわります。接触、追突、横転、自走事故、人身事故などなど。。。もちろん無事故のドライバーも大勢いるので、「人による」というのが本当のところです。運転ってやっぱり適性があると思いますよ。単に運転が上手いかどうかじゃありません。安全運転のできる人か、そうでないかという話です。ちなみに僕は業務中に事故を起こしたことは一度もありません。

・普段の休日は日曜と祝日のみ。6月は週一日しか休めない…orz

 

 

 いかがでしょう。扱う荷物がかなりハードなので、ブラックな側面もあるといえばありますが、そのぶん給与が高めだったり有休が自由に使えるなど良い面もあります。休日はちょっと少なく感じますね。また、チームワークは必要ないので、仕事を単独でこなすのが性にあう人には向いていると思います。

 

 扱う荷物の種類、トラックの装備、勤務時間、福利厚生などで働きやすさはガラリと変わります。どこまでなら許せるかも人によって変わります。運送業界は噂どおり本当にびっくりするほどブラックな会社もあるので、見極めが大切です。

 個人的な印象ですが、宅急便はハードな割に給与はよくないですね。あと大手の下請け・孫請けの運送会社はブラックになりやすい傾向があるように思います。まあ運賃の安さで勝負しているような会社は、あぶない臭いがします。

 

 ご多分に漏れず、どの運送会社のドライバーも高齢化してきています。未経験者でも40歳ぐらいまでなら十分チャンスがあります。この会社はヤバいと思ったら、早いとこ見切りをつけて転職するのが良いかもしれません。