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留学生の李さんと

 僕はいまから4年ほど前までは飲食業界で働いていました。

 一般社員から料理長、店長になり、その後は現場を離れて営業や経営企画など、広く浅くいろいろな経験をさせてもらったと思います。 

 飲食店というのはどこも似たようなもので、社員は数人、あとはみんなアルバイトです。主にコンビニや駅に設置してあるフリーペーパーやケータイサイトで募集をかけていました。反応がいまひとつなら既存のバイトの友達を紹介してもらったり、近隣の学校にポスターを貼らせてもらうなど、あの手この手を駆使して人を採用していました。

 

 特に繁華街の店では人材は争奪戦です。ここで下手を打つと、シフトもまともに組めない恐ろしい状態になります。逆に多すぎても人件費のコントロールが難しくなり、シフトに入れないバイトから文句が出たりもするので、経験や勘ではなく数字に基づいた採用計画が非常に大事なのです。。。

 飲食店の店長の仕事、半分は人材育成といっても過言ではないと思います。

 

 東京・大阪などの都市部では留学生も数多くいます。ほとんどが中国・韓国からの留学生ですね。彼らは言葉の勉強も兼ねて接客業で働くことが多いようです。

 ビザの関係で労働時間の上限がありますが、留学できるような家庭の子はみんなエリート層なので、そこらへんの日本の学生よりもはるかに優秀な子がいたりします。

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 当時、僕が店長をしていた店に中国人留学生の李さんという子がいました。中国東北部吉林省出身の朝鮮族の女の子でした。中国は9割が「漢族」です。他にも少数民族がいろいろあって、朝鮮族はそのひとつ。中国人ですが、朝鮮系の文化を持った人々です。

 

■李さんにみる中国的小話

・アイヤー

 中国人て本当に「アイヤー」なんて言うのか?と長年疑問に思っていた僕は、一度本場の発音を聞きたかったのです。その疑問は李さんが解決してくれました。

 あるとき、手を滑らせてグラスを落とした李さん。パリーン!「アイヤー!!」

 …天然もののアイヤーは超絶可愛かった

 ありがとうございます。笑

 漢字で書くと「哎呀」。ニュアンスとしては「ヤバイ!」みたいな感じでしょうか。でも驚いたとき以外にも、嬉しいときや会話の相槌などいろんなところで使うみたいです。中国の男性は感嘆詞をあまり使わないそうなので、主に女性が使う言葉と思っておいて良いようです。

 

朝鮮族は美人が多い?

 朝鮮族には美人が多いらしいですね(寒い地方だから…かも)。

 李さんもアイドル顔負けの大変可愛らしい子でした。といってもAKBみたいな感じではなく、童顔で昭和のアイドルのような天然の可愛さ。なにより愛嬌があって、お客さんに人気ありましたね…

 店側としては看板娘がいると商売しやすいので非常に助かっていました。笑

  

・お酒がめちゃくちゃ強い

 息抜きも兼ねて閉店後にスタッフで飲み会をすることもありましたが、留学生の子たちはお酒強かったですね~。李さんも可愛らしい顔に似合わず酒豪でした。まあ体質的にも違うんだと思いますが。。。

 ちなみに中国にもビールはあります。あちらで働いた経験がある方はご存じかと思いますが、酒宴には「白酒(パイチュウ)」というお酒が欠かせません。これ、50度以上あってめちゃくちゃキツイです。慣習的に宴会の席では「乾杯」が何度も何度も何度も行われるので、あっという間に酔います。まあグラスは小さいんですけどね…この「乾杯」は文字通りグラスを空にしなければいけないので、こんなのをグイグイ飲まされたら普通の日本人はついていけません。笑

 でも、こうしてお酒を飲んで食事を共にした相手は「朋友」。その日から友人なんです。大らかで素敵な文化だなぁと感じます。

 

 ・対日感情はどうなの?

 中国人てぶっちゃけた話、日本のことキライなの?どうなの?というややセンシティブな話題を振ってみたことがあります。

 李さんによると朝鮮族の人たちの多くは親日的で対日感情はとても良いのだそうです(どちらかというと中国のほうが嫌いらしい)。中国とも韓国とも違う独自の文化を守ってきた人たちで、政治的な半日教育を受けていないこともあると思います。

 個人的な印象ですが、僕が仕事で関わった中国の人たちは「国と国とはいま微妙な関係だけど、あなたは大切な友人だヨ!」という人ばかりでした。これは部署が変わってから中国に出張した際に出会った人々も同様でした。ずいぶん良くしてもらったので、単にビジネスパートナーというだけではなかったと思います。中国人だから○○だ、なんて一括りにする短絡的な思考はいけませんよね。

 日本人だって、良い人もいれば悪い人もいるんですから。

 

 ・日本語は難しい?

 李さんは中国語、韓国語、日本語、英語と4か国語を話せるスーパー留学生でした。朝鮮族の人たちは中国語はもちろん、韓国語や日本語を小さいころから学びます。発音も他の地方の留学生たちよりずっと上手でした。文法的には韓国語と日本語は似ているので学びやすいらしいですね。

 中国語は発音難しいよね?と話を振ったら「日本語も発音むつかしいヨ!」と返されました。濁音や「っ」の入る言葉はちょっと発音しづらいそうです。それから、苗字の多さに戸惑ったと言っていました。中国の苗字はおよそ4千種ほどですが、日本のそれは30万種もあります。ちなみに「李」というのは中国で2番目に多い苗字だそうです。日本って苗字すごく多いんだね… 

 

 

 李さんは日本にいる間はずっと僕が店長をしていた店で働いてくれました。

 いまは日本で就職し、語学力を活かして貿易関係の仕事をしているようです。生真面目な性格で、日本人より一生懸命に働く子だったのできっと大丈夫でしょう。いまでもたまにLINEで連絡がくる、僕の数少ない友人です。

 思えば彼女がいたころのメンバーはみんな良い仲間だった気がします。

 学生時代のアルバイトって、人との繋がりを作る意味でも大事ですね:)